この記事では、インデックス投資・インデックスファンドについて説明します。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、特定の指数(インデックス)に連動することを目指して運用される投資方法です。
特定の指数(インデックス)として有名なものには、アメリカを代表する約500社で構成される「S&P500」や、世界中の株式市場を対象とする「MSCI ACWI(オール・カントリー)」(通称:オルカン)などの指数があります。
インデックス投資では、これらの指数と同じような値動きになるように作られた投資信託やETFに投資します。
初っ端からなにをわけわからんことを言っているのだと思われそうなので、初心者の方向けに簡単にいうと、
インデックス投資とは、賢い専門家の人たちが決めた基準によって選ばれたいい感じの会社の株の詰め合わせパックである「インデックスファンド(投資信託)」を購入し、株式市場の成長に乗っかって利益を狙う投資手法です。
個別の会社を選ぶ必要がなく、1本買うだけで多くの企業へ分散投資できます。
インデックス(指数)の構成銘柄は、多数のセクター(産業分野)が含まれており、定期的に見直され、市場の変化に合わせて入れ替えが行われています。
そのため、
- 投資の知識があまりない
- 銘柄選びに時間をかけたくない
- 長期で資産形成したい
という人にも始めやすい投資方法として人気があります。
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、「特定の指数(インデックス)」に連動するように作られている投資信託のことです。
投資家は指数そのものを買うことはできませんが、インデックスファンドを購入することで、その指数へ投資しているのとほぼ同じ効果を得られます。
人気のインデックスファンド(投資信託)として、次のような商品があります。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 信託報酬:0.05775%以内
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 信託報酬:0.08140%以内
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 信託報酬:0.0938%程度
※2026年10月3日現在(信託報酬は変更される場合があるため、購入前に必ずご自身で最新の情報を確認してください)
例えばS&P500に連動するファンドを購入すれば、アップルやマイクロソフト、アマゾンなど、アメリカを代表する企業へ一度に分散投資できます。
また、オール・カントリー(全世界株式)(通称:オルカン)であれば、アメリカだけでなく日本やヨーロッパ、新興国など世界中の企業へまとめて投資できます。
インデックス(指数)は誰が決めているのか
インデックスファンドが連動する「指数」は、専門の指数算出会社によって作られています。
S&P500とオール・カントリーの「指数」は、アメリカの民間の金融会社が決めています。
- S&P500:
アメリカの金融会社「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社」が作る指数です。
アメリカを代表する約500社(アップル、マイクロソフトなど)の株価をまとめたものです。 - オール・カントリー(全世界株式):
オール・カントリーでよく使われる「MSCI ACWI」は、MSCI社が算出する全世界株式指数です。アメリカ・日本・ヨーロッパ・新興国など、世界中の株式市場をカバーしています。
なぜインデックス投資が人気なのか
インデックス投資が人気な理由を以下の順で解説していきます。
・手数料が安い
・分散投資ができる
・長期投資と相性が良い(複利など)
手数料が安い(信託報酬0.1%未満)【アクティブファンドとの違い】
まずは、手数料の安さです。
この記事の上記インデックスファンド(投資信託)はいずれも信託報酬が0.1%未満です。
手数料が1%を超える投資信託も多い中で、これだけ低コストなのは大きなメリットと言えるでしょう。
インデックスファンドは、特定の指数に連動することを目指して、指数の値動きに合わせて機械的に自動で銘柄を組み替えながら運用されます。
運用会社が「この会社が伸びそうだ」といった判断をして銘柄を選ぶ必要がないため、人件費や分析コストが抑えられ、維持コストが低い=手数料が安いのです。
一方で、手数料が高くなりやすいのが、アクティブファンドという投資信託です。
アクティブファンドは、ファンドマネージャー(投資のプロ)が市場を分析し、「指数を上回る成績を目指して」銘柄を選んだり売買したりします。
そのため、人件費や調査費などがかかり、結果として手数料が高くなる傾向があります。
アクティブファンドは、プロの人が運用してくれるなら安心、と思うかもしれませんが、そうとも言えません。
むしろ、長期で見るとインデックスファンドの方が高いリターンを残しているケースも多く見られます。
これは、人件費がコストとして手数料に乗ってくるために、その費用の分、利益が減ってしまう要因となるからです。
💡メモ:利回りと手数料の関係
株式を対象としたインデックス投資の年平均リターンは、長期的には5〜7%前後が一般的な目安とされています。
銘柄や投資する地域によってリターンは異なりますが、長期の資産形成を考える際の一つの目安となる数字です。
たとえば、仮に年5%のリターンが得られたとして、信託報酬が0.1%と1%なら、年0.9%の差が出ます。5%のリターンに対して、0.9%の信託報酬の差は決して小さくありません。
手数料は毎年かかるため、長期で積み立てていくほど、この差が雪だるま式に効いてきます。
だからこそ、長期投資では低コストのインデックスファンド(投資信託)を選ぶことが重要なのです。
分散投資ができる
インデックスファンドのいいところの一つは、1本買うだけで幅広い業種の株をまとめて持てるところです。
たとえば、S&P500のファンドを1本買えば、アップルやマイクロソフトといったIT企業から、ジョンソン・エンド・ジョンソンのような医薬品メーカー、JPMorganのような金融会社まで、アメリカを代表する企業をまるっと少しずつ持つことができます。
つまり、一社に賭けるんじゃなくて、幅広い企業にまとめて投資する。
ざっくり言えば、経済全体に乗っかるイメージです。
幅広い業種の株をまとめて持つことで、どこかの業界が不調でも、他の業界がカバーしてくれることが期待できます。
これが、分散投資によってリスクを抑える考え方です。
個別株だと、その会社がこけたら終わり、みたいなこともありますが、
インデックスファンドなら1社の業績悪化による影響を受けにくくなり、個別株に比べてリスクを分散できます。
S&P500はアメリカ国内の株式で構成されていますが、
オルカン(全世界株式)のようなファンドなら、業種だけでなく国や地域まで分散されています。
アメリカが不景気になっても、ヨーロッパや新興国など他の地域が伸びていれば全体では影響を小さくできる可能性があります。
そんなふうに、世界全体に広がる分散ができるのも大きなメリットです。
ただし、オルカンは時期によって構成比率が変わりますが、近年は6割前後が米国株です。
実質的には「アメリカを中心に世界へ投資している」構成になっています。
長期投資と相性が良い(複利など)
インデックス投資は、長期投資と相性の良い投資方法です。
その理由の一つが、長期で市場の成長を取り込めることです。
株式市場は短期的には大きく上下しますが、長期では企業の利益成長などを背景に市場全体が成長してきた歴史があります。
もう一つの理由が、複利の効果です。
投資で得た利益を再び投資に回すことで、「利益が利益を生む」ようになる仕組みで、時間が経つほど資産の増加が大きくなっていきます。
時間をかけるほど雪だるま式に資産が増えるというのは、投資の中でもシンプルで強力な仕組みです。
アインシュタインの言葉として「複利は人類最大の発明」という有名な逸話があります。
本当に本人が言ったのかは定かではありませんが、複利の力を表す印象的な言葉です。
たとえば、毎年5%のリターンが得られ、それを再投資すると、20年後には元本の約2.65倍になります。
もし30年なら4倍以上です。
短期間では大きな変化を感じにくいですが、時間を味方につけることで、複利の効果を大きくしていくことができます。
インデックス投資のリスク
インデックス投資の「為替リスク」「暴落リスク」について解説します。
為替リスク
S&P500やオルカンのように、海外の株式に投資するファンドには「為替リスク」があります。
これは、円とドルなどの為替レートが変動することで、資産の価値(円換算額)が上下するリスクのことです。
たとえば、ドル建てでは株価が上がっても、円高(1ドル=120円→100円など)が進むと、円換算では利益が減ってしまうことがあります。
逆に円安になると、株価が変わらなくても円換算での評価額が増えることがあります。
つまり、為替の動き次第で一時的に損をすることも得をすることもあるということです。
長期で投資を続ければ為替の影響が落ち着くこともありますが、今後どう動くかは誰にもわかりません。
為替も投資のリスクのひとつとして、理解しておくとよいでしょう。
暴落リスク
もうひとつの注意点は、短期的な暴落を避けられないということです。
リーマンショックやコロナショックのような世界的な危機のときには、
S&P500やオルカンのような株式インデックスでも、過去には半分近くまで下落したことがあります。
ただし、これまでの歴史を見ると、S&P500は暴落のたびに回復し、
時間をかけて過去最高値を更新してきたことも事実です。
つまり、「短期では下がることがある。一方で、過去の暴落から回復し、長期では成長してきた」ということです。
暴落したときほど、短期的な値動きだけで慌てて判断しないことが大切です。
損切りするかどうかを判断する際は、短期の値動きではなく、長期の成績や今後の見通し、自分のリスク許容度を冷静に考えて決めることをおすすめします。
インデックス投資を無理なく続ける方法
インデックス投資を無理なく続ける方法を以下の順で解説します。
・ドルコスト平均法とは
・積立投資を自動化しよう(定期購入設定)
・投資を続けるための考え方
ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法とは、「一定の金額を定期的に投資すること」であり、代表的な例は毎月一定の金額で投資信託を買い続ける方法です。
価格が高いときは少なく、安いときは多く購入することになるので、結果として平均購入価格がならされやすくなります。
この方法には、買うタイミングを自分で判断する必要がなく、感情に左右されずに投資を続けやすいという利点があります。
💡メモ:「ドルコスト平均法」の「ドル」は、通貨の米ドルという意味ではありません。「一定の金額」を定期的に投資する方法を、英語では「dollar-cost averaging」と呼びます。この英語が日本語になったもので、円で投資する場合も同じ考え方なので、「ドルコスト平均法」と呼ばれています。
積立投資を自動化しよう(定期購入設定)
証券口座を開設したら、投資信託を「毎月◯日に自動で買う」つみたて設定(定期購入設定)をしておくと便利です。
たとえば、
- 毎月1万円をオルカンに積み立てる
- 毎月5,000円をS&P500に積み立てる
といった具合に、自分のペースで設定しておきます。
一度設定してしまえば、あとは自動で購入されるのでほったらかしでOKです。
ただし、引き落とし口座の残高が設定金額を下回らないよう、定期的に確認しておきましょう。
毎月の値動きを気にして売買するよりも、精神的にもずっと楽です。
長く投資をするためにはメンタルを安定させることも重要です。
積立投資は、相場の値動きに振り回されず、投資を続けるための一つの方法だと思います。
投資を続けるための考え方
積み立て投資で大切なのは、「無理のない続けられる金額」であることです。
もし急な出費があっても困らないように、生活費や緊急用の現金は手元に残しておくようにしましょう。
投資はあくまで「余裕資金で」「長期的に」やるのが基本です。
無理をせず、気長に続けることで、複利の効果がじわじわ効いてきます。
投資では、「市場に居続けることが大事」と言われています。
株価はいつ上昇するか分からないため、投資を続けて市場に居続けることで、重要な株価の急上昇局面を取り逃しにくくなるというメリットがあります。
だからこそ、投資を長く続けるためには、無理のない仕組みを作ることが大切です。
積み立てを自動化しておけば、マーケットの上下に一喜一憂することもありません。
買うタイミングを気にせず、
「淡々と」「長く」「ほったらかしで」続ける。
それが、ずぼら投資における一番の成功法だと思っています。
まとめ
インデックス投資は、S&P500やMSCI ACWI(オール・カントリー)などの指数に連動することを目指す投資信託やETFに投資する方法です。
インデックス投資には、
- 低コストで運用しやすい
- 1本で多くの企業や地域に分散投資できる
- 長期投資と相性が良い
といったメリットがあります。
一方で、為替の変動や株価の暴落によって、資産が大きく減ることもあります。
投資に絶対はないので、生活費や緊急用のお金まで投資に回すのではなく、余裕資金で無理なく続けることが大切です。
また、積立投資を自動化しておけば、毎回買うタイミングを悩む必要もありません。
「無理のない金額で」「淡々と」「長く」「ほったらかしで」続ける。
これが、銘柄選びや売買のタイミングに悩みたくない人にとって、インデックス投資を続けやすくする一つの方法です。
▶︎ 次の記事はこちら:
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